安心とは「怖くない」だけではない

「安心してください」「大丈夫ですよ」
そう言われた瞬間、少しホッとすることはあっても、心の奥に残るザワつきが完全に消えるとは限りません。

私たちはつい、
安心=怖くない状態
だと思いがちです。

不安がない
恐怖を感じない
問題が起きていない

たしかに、それらは安心の一部ではあります。
しかし実際のところ、「怖くない」だけでは、人は長く安定した気持ちではいられません。

本当の安心とは、もう少し深い場所にあります。

「何も起きていない」のに落ち着かない理由

仕事も家庭も大きなトラブルはない。
健康診断も異常なし。
それなのに、なぜか心が休まらない。

こうした状態を経験したことがある人は少なくないはずです。

それは、外側の危険が消えても、内側が安心していないからです。

人の心は、「危険がないか」だけでなく、
「自分は支えられているか」
「この状態は続いても大丈夫か」
という感覚を常に確認しています。

つまり、安心とは
恐怖が消えた状態ではなく、
身を委ねられる感覚がある状態なのです。

安心は「緩んでいい」と思えるかどうか

本当に安心しているとき、人の体は自然と緩みます。

呼吸が深くなる
肩の力が抜ける
考え事が減る

逆に、「怖くはないけど安心でもない」とき、体は無意識に緊張を続けています。

・常に最悪のケースを想定している
・休んでいても罪悪感がある
・気を抜くのが怖い

こうした状態では、恐怖はなくても安心はありません。

安心とは、
「何かあっても大丈夫」
「今は力を抜いていい」
自分に許可を出せている状態だと言えます。

安心は心だけで作られるものではない

ここで重要なのは、安心が「気の持ちよう」だけで作られるものではない、という点です。

頭でいくら
「大丈夫だ」
「考えすぎだ」
と言い聞かせても、体が緊張していれば安心感は生まれません。

安心は、
心・体・環境
この3つが揃って、初めて実感できるものです。

だからこそ、
「怖くないはずなのに安心できない」
という感覚は、決して弱さではありません。

それは、体や生活のどこかが、まだ緊張を抱えているサインなのです。