泣くことは、弱いことじゃない。涙は、心が頑張りすぎた証であり、自分を守るための自然な反応です。だから、泣きたいときは我慢しなくていい。流れ落ちる涙の一粒一粒が、心の中に溜まった痛みや不安を少しずつ洗い流してくれます。
人は、泣いたあとにほんの少しだけ静かになります。その静けさの中で、ようやく本当の気持ちが顔を出すことがあります。誰かに理解してほしかったこと、認めてほしかった想い、どうしようもなく寂しかった夜。涙のあとに見える景色は、そんな自分の本音がやっと呼吸を始める場所です。
不思議なもので、涙を流すと世界の色が少し変わって見えることがあります。さっきまで灰色だった空が、淡い青に戻っている。聞こえなかった鳥の声が、心に響いてくる。何も変わっていないようで、確かに何かが変わっている。涙のあとに見えるのは、外の景色ではなく“心の景色”なのかもしれません。
人は誰でも、泣きながら強くなります。涙は、心が再生するための栄養です。悲しみを無理に消そうとしなくても、やがてその悲しみが、優しさや思いやりに変わっていく。あのときの涙があったから、人に寄り添えるようになる。そうやって、人生は少しずつ深みを増していくのだと思います。
涙のあとに見える景色は、人によって違います。でも共通して言えるのは、その景色の中に“希望の光”があるということ。たとえ小さくても、確かにそこに光っています。それは「まだ生きたい」と願う心の光。どんなに傷ついても、人はその光を見失わないようにできている。
だから、泣いた日を恥じなくていい。涙のあとにしか見えない景色があることを、どうか忘れないでください。泣くことを許したあなたは、すでに次の一歩を踏み出しているのです。

